中国映画というと、重厚で歴史的なイメージがあったが、本作はそ .. >(続きを読む)
中国映画というと、重厚で歴史的なイメージがあったが、本作はその全く逆。
現代的で、テーマもかなり“下世話”的。
これはまさに中国が劇的に変化していることの象徴だろう。
中国の激変ぶりが、映画にも反映しているように思う。
中国が急激な経済成長を遂げている最中に作られた映画で、激動する中国都会部に暮らす人々を生々しく描いている点が、非常に興味深い。
都会暮らしの人間が一歩間違えたら陥るであろう、泥沼的なトラブルを、分かりやすく具体的に描く。
リアル過ぎて、芸術性は低いが、現代中国の病巣を鋭く分かりやすく表現している点を評価したい。
レオン・カーファイの演技力も抜群。
ファン・ビンビンの、運命に翻弄される女性像、アンニュイな雰囲気も良い。
傑作とは言い難いが、激動する中国の真っただ中をリアルタイムに切り出し、的確に描いたという点において、後世に残すべき作品かもしれない。