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<ネタバレ>名匠と言われるジャ・ジャンクー監督による、4話から成るオムニバス。
雰囲気は悪くないが、ストーリーにそれほど魅力がない。
第1話
炭鉱夫が村の不正を正そうとするが、結局かたっぱしから撃ち殺して終了、という話。
これの良くないところは、撃ち殺しまくった後の姿が描かれていないこと。
つまり、殺人の後必ず来るであろう、逮捕や死刑といった責任の部分が欠落している。
これはもはや、殺りっぱなし、投げっぱなしで、やり逃げみたいな内容である。
第2話
退屈な村の生活に嫌気がさした男が、憂さ晴らしも兼ねて人を殺しまくる、という話。
ヒットマンのごとく人を鮮やかに殺しまくるが、ヒットマンっぽくないのと、不自然に殺しがうまくいき過ぎている点が、難点。
リアリティを欠いている。
第3話
不倫を続けた女が報われないまま、更に人を殺してしまい、不幸のどん底に落ちていく、という話。
これはもはや勝手にしろい!と言いたくなる内容。
不倫するのも自己責任だし、もう少し地道に生きていけばいいだけの話である。
第4話
仕事もうまく行かず、仕事も辞めるハメになった若い男が、怪しいお店でウェイターになるも、うまくいかず自殺にいたる、という話。
とにかく救いがない。
ただし、現代中国の底辺を生きる若い男の、行き場のない絶望感が、リアルに描かれている点は良い。
ある意味、一番良かった話かも。
女優陣のインパクトも強い。
総評すると、やっぱりジャ・ジャンクーは不思議な魅力に溢れていた。
そしていまだパワーも感じる。
この作品はイマイチでも、次の作品、また別の作品を観てみたいと思わせる何かがある。
ジャ・ジャンクー監督にしか出せない、独特の映画的雰囲気も素晴らしい。