<ネタバレ>マルセル・カルネ監督と言えば『天井桟敷の人々』と本作『嘆きの .. >(続きを読む)
<ネタバレ>マルセル・カルネ監督と言えば『天井桟敷の人々』と本作『嘆きのテレーズ』が代表作ですが、私は本作により強い魅力を感じました。
後半のもっていきかたは、決してうまくはなく、むしろ顛末が分かってしまう時点で、面白味の観点で言えばかなりマイナスポイントです。
しかしながら、ゆすりの男が車に跳ねられ、息を引き取る間際に「てがみ、てがみ・・・」と繰り返すシーンは非常に心を打たれました。
ゆすりという卑怯なことをしながらも、お金を受け取ったからには、死の瀬戸際に立たされても、義理堅く手紙のことを何とか伝えようとする。
卑怯なゆすり男が、死ぬ間際にみせた誠意。
これには心打たれました。
ストーリー展開のうまさに関して言えば、ハリウッド映画などの娯楽性を重視する作品たちには劣りますが、観る者の心に訴えかけるラストと演出は、単なる娯楽作品にはない崇高なものを感じます。
しかし、シモーヌ・シニョレって、個人的にどうも好みに合いません。
顔が大きいのがネックです…