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色彩と構図だけで勝負したら、この映画の右に出る作品はないだろう。
台詞を排し、時折り入る語りも音声がしぼられており、色彩と構図をひたすら強調した演出も、さりげなく巧みである。
ソフィコ・チアウレリの美しさも鮮烈。
特に、白装束・白塗りの彼女は、神秘的なまでの美しさとオーラを放っている。
目じりが印象的な女優で、もっと沢山の作品で彼女の姿を拝みたかったものだ。
強いて苦言を呈すれば、映像的な美しさと物語としての面白さが両立していないところ。
だがこれは、究極的に色彩と構図に焦点をしぼった結果だとも言える。
それだけ、絵画的美しさに特化した、孤高の作品だった。