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<ネタバレ>ええ?!ジャン・ユスターシュの傑作に今までレビューゼロですか?!
それがまず残念です・・・
さて気を取り直して、単独レビューを開始致します。
“ゴダールが認めた最後のヌーヴェル・ヴァーグ作家”と言われるジャン・ユスターシュの大長編力作。
主演はヌーヴェル・ヴァーグの常連俳優であるジャン=ピエール・レオ。
彼は印象的な作品にばかり出ている俳優さんだ。
その中にあっても、本作における彼の演技はずば抜けて印象的だった。
この作品における彼の役どころは、いわゆる“ヒモ”。
仕事もせずに年上の女性と同棲している。
もちろんそこは彼女の家だ。
ところが、彼には本命の女性がいる。
その女性に求婚するも、断られてしまう。
そこでナンパを決行する。
ナンパした相手は看護婦だった。
その看護婦と深い仲になった彼は、平気で同棲相手の家にその看護婦を連れ込んだりしている。
同棲している年上の女性はそれが我慢ならないが、年上の弱味だろうか、何となく許してしまうのだった・・・
とまあ、こんな感じで“淡々”と話は進んでいくのだ。
しかし、それにしてもあまりに長い。
何と上映時間は怒涛の“220分”。
170分くらいまでなら何とかなるが、どんな内容でもさすがに200分越えはしんどい。
しかししかし、何でだろう、しんどいと思いながら最後までスルスルと観れてしまったのだ・・・
これがジャン・ユスターシュという監督の魅力なのだろうか。
摩訶不思議な映画だ。
男女の日常が延々と描かれるだけの内容。
でも、最後までグイグイとひっぱられてしまうのだ。
“長い長いと思っていたら、いつの間にか220分経っていて、長いんだか長くないんだがさっぱり分からずじまいの映画”
と言ったら分かりやすいかもしれない。
それとこの作品、とにかくセリフが多い。
主演のジャン=ピエール・レオなんか、ずっとしゃべりっぱなしだ。
こんだけ尺の長い作品なのに、これだけのセリフの多さ。
さぞかし、この作品の撮影は疲れたであろう。
ジャン=ピエール・レオの、その“プロ根性”に心から敬意を表したい。