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エリック・ロメールらしいというか、とにかく“対話”を軸にして話は進んでいく。
会話を適当に聞き流してさえいれば、ストーリー自体はテンポが良いので、最後まで普通に楽しむことはできる。
しかし、30過ぎのオッサンが、街角で22歳の女子大生をナンパって、本当に成功するんだろうか?
もしするんだったら、明日から街に繰り出し、学生に声をかけまくりたいのだが。
敬虔とは言いがたいカトリック信者の主人公が、宗教の矛盾を指摘してたくせに、自身は若い女性を前に、単純な男の欲求をむきだしにするという、矛盾の二重構造。
それと、無神論者とか、宗教に無関心だとかのテーマは意外と興味があったりして、私自身は何らの宗教にも属してはいないが、人は何故、宗教に流れるのか、そしてそれを否定する立場の人間は何を根拠に否定しているのか。
そんなことに興味が湧いた。
私自身は、宗教に嫌悪感すら抱いているが、積極的に無神論者になるほどの熱心さもない。
これが、無宗教な日本人の典型かもしれないだろうが、実際に宗教という複雑な背景を持つものに対して、積極的に論じ、批判するなどの暇もパワーもないのは確かだ。