さすがに字幕を一切排されていると、分かりにくさがあった。
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さすがに字幕を一切排されていると、分かりにくさがあった。
特に前半から中盤までは、よほどの集中力をもって画面をにらんでいない限り、容易には理解できない。
少なくとも私はそうだった。
ところが、終盤に入ったところで、がぜん話は盛り上がる。
とても分かりやすくなるのだ。
そしてラストシーン。
自らが辛い経験をしたことがあるからこそできる、トイレの掃除夫への心遣い、そして理解。
下積みを経験しないと、ろくな人間にはなれない、それを雄弁に語った作品だ。
苦労した時には、「今の苦労は必ず後々の役に立つ」と自分を勇気付けて踏ん張る。
本作は、そうした気持ちをもって前向きに生きている人々への讃歌なのではないだろうか。