<ネタバレ>大和を扱った作品はいくつもありますが、本作品は吉田満氏の「戦 .. >(続きを読む)[良:2票]
<ネタバレ>大和を扱った作品はいくつもありますが、本作品は吉田満氏の「戦艦大和ノ最期」の忠実な映画化です。原作と比較してしまうと点が辛くなってしまうのですが(何しろ「戦艦大和ノ最期」は日本の戦争文学の至宝ですからね。)、他の「大和作品」と比較すると、出撃前の自ら葬送を行うかのような艦内の様子を丁寧に描いているのが、この映画の特徴と言えるでしょう。それぞれの士官、兵のドラマを深追いすることはありませんが、芥川也寸志の音楽が品位と抑制を保ち彼らの背景への想いを呼び覚まします。本作品が原作の心情を大切に「レクイエム」として成り立っているのは、関係者の原作への忠実な共感からだと思わされます。地味な作品ではありますが、思想文化的遺産として貴重な一本。[良:2票]