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<ネタバレ>キリスト教では自殺は罪とされているので、どうしても家族の立場は微妙になる。世界最大のキリスト教国・アメリカで自殺を語る難しさとオブラートを強く感じた。そういう背景の社会で生き続ける家族が、どうしても自殺した本人の「病気」「異常性」を強調しているのが、逆に不愉快でもあった。兄弟の自殺を認めたくない男性の「普通の子だった、何かにだまされて橋に行かされたんだ」という言葉が一番、愛情を感じた。自殺防止の策を行政がとらないのも、そんな罪人たちを卑下する姿勢があるからなのだろうか?911のビルから飛び降りた被害者たちの家族を追ったドキュメンタリー映画「フォーリング・マン」の方が、人間を描けていたと思う。自殺をこころみて生還した青年が飛び降りた瞬間に「死にたくない!」と思ったというのが、この映画で得られる最大のメッセージだった。