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<ネタバレ>見終わって半日たって、じわじわいい映画だったなと思います。瀬川役の松田龍平が異色。映画の主人公らしからぬ、喜怒哀楽の薄さ。もともと、そういう抑えた演技の俳優さんだったと思いますが、そこがいい。この映画は詰まるところ、瀬川を中心に、さまざまな人が一つの夢を紡いでいく話だと思っています。鹿島澤先生、おとうさん、親友でありライバルの鈴木君、将棋道場の席主、喫茶店のウェイトレスさん、会社の同僚、三段リーグの仲間(戦友?、敵役?)たちなどなど。松田龍平の瀬川が激情型とは対極のキャラなので、これらの人たちの糸がしっかりと編み込まれていくのがわかります。そして、奇跡ができあがる。表情の乏しい瀬川が、ホッとして、笑顔を浮かべようとする瞬間が本作のラストシーンです。あえて繰り返しますが、さまざまな人たちの手により、一つの夢が紡がれていくさまを描いた本作。良かった。