<ネタバレ>本作の成功は原点回帰にある。その象徴が、1作目以来に登場する .. >(続きを読む)[良:1票]
<ネタバレ>本作の成功は原点回帰にある。その象徴が、1作目以来に登場するヘンリー・ウー博士だ。このキャラクター、M・クライトンの原作では重要な人物だが、映画ではチョイ役となっていた。新作で彼はハイブリッド恐竜を作ったことをパークのオーナーに非難されてこう言う、「ハモンドの時からすべてが作りものだったんだ」と。そう、「ジュラシック・パーク」で描かれたのは、恐竜を甦らせたと思い上がる人間に対する、テクノロジーの予測不可能な危険性であった。これは、テクノロジーへの過信に対して、クライトンが常に描いてきた警鐘でもある。新作の主役であるハイブリッド恐竜は、遺伝子操作によって生み出された、実際には存在しない怪物として登場する。しかし、実はパークの恐竜すべてが遺伝子操作によって生み出されたまがい物なのだ。テクノロジーの進歩に伴う過ちの繰り返し、これこそクライトンの意志に沿ったものではないだろうか。
そんな原点を踏襲した本作では、20年前に上映された1作目に興奮した観客なら、誰しもその感動を思い起こされるシーンが随所に挿入されてもいる。強引な展開や見せ方に粗はあるが、配役がハマッているし、あまりにもずるいT-REXの登場には童心に返って興奮間違いなしだし、総じて満足のいく仕上がりとなっていた。 ラスト、マルコム博士が出てきて「だから警告したんだ。生命を管理することなんてできないと」なんて言うシーンがあると最高だったんだけど。[良:1票]