<ネタバレ>素晴らしい!重厚な世界観に逃げることもなく、大きな歴史の渦を .. >(続きを読む)
<ネタバレ>素晴らしい!重厚な世界観に逃げることもなく、大きな歴史の渦をえがいて見せ場を創るわけでもなく、弱い人間たちの世界を実に丹念によく描いてる。監督の体験を素にしたとのこと。そうだろう。地味な話である。それを前半をサスペンスタッチで2人の男女を描き、それが交わった時、思わずこの作品を「素晴らしい!」と心の中で喝采した。弱い人間たちであるが、要所要所に強者を配してる。そうだろう、それじゃなきゃ、破綻している人たちだ。しかし、それが「普通」なんだね。最初から強い人なんていないもの。それでも生きていき、見守られながら、愛されながら、皆落ち着いていく。そのことが最後の詩で見事に謳いあげられる。とても好きな映画です。でも10点ではなく、9点が似合いそうなので、この点数にしました。
最後の詩
「水はのどの渇きが
陸は越えてきた海が
恍惚は苦痛が
平和は戦いの物語が
教えてくれる
愛はその記念碑だ
もはや渇きはない
2本の脚で大地に立ち
今、私は安らぎのなかに」