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<ネタバレ>よく「アメリカ万歳映画だ」という批判を聞くけれど、これを観てどうしたらそのような感想を抱くのだろう?そもそもこのソマリアでの軍事作戦自体が失敗だったわけで、自国からも多数の犠牲者を出し、1000人もの現地人を殺戮する羽目になってしまったのに、「アメリカ最高!」って思うアホがどこにいる?オリバー・ストーンの諸作のように声高に反戦を謳っているものではないが、これまで誰も観たことがないほどリアルな〈戦場体験〉をさせてくれる本作は、これまでのどの戦争映画よりも〈誠実に〉戦争の真実を描いていると思う。その最たるものは、「負傷者の救助に行け!」と命令され、ろくなナビもなく迷路のような街路をぐるぐる回りながら敵の集中砲火を浴びてしまう車輌部隊。会議室でふんぞりかえって、現場を無視したバカげた命令を出す上司って、どこの会社にもいるよね。それでも、「仲間のため」と言って、ヘリパイロットの救助に向かう二人の兵士は涙もの。ラストのフート(エリック・バナ)の言い分は詭弁かも知れないけれど、「そうでも思わなきゃやってられないよ」という現実でもあると思う。この映画が作られてから10年経つが、これを超える戦争映画は観たことがない。[良:1票]