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<ネタバレ>この映画は旅、というよりも「移動」に近いようなテーマを持っている。そして自然に自分の行き着くところに行き着く、といったイメージ。それがオープニングからエンディングで、伽奈によって端的に表現されている。
気に入ったのは小林演じるセツコがウィスキーの水割りを作るシーン。ウィスキーをカウンターに出し、コップを出し、氷(しかも一個でコップを埋める大きなやつ)を水に濡らし、コップに入れ、ウィスキーを入れ、かきまぜ、水を入れてかきまぜる。これが大体5,6回に渡って繰り返される。こうして映画の身体性というものを非常に意識させる。この自覚的な身体性こそ映画の醍醐味だと思う。プロジェクト全体としての雰囲気は保っていて、シリーズが好きなら例外なく楽しめる。