要はラストのナッシュのスピーチをどれだけ感動的にさせるか、と .. >(続きを読む)
要はラストのナッシュのスピーチをどれだけ感動的にさせるか、という点にかかってくる映画。高慢で数学を信奉していた彼が、最後に人生で最も重要なものは謎に満ちた愛の方程式だ、と述べることの意味。病気といい、愛といい、結局彼は解きえないものに取り付かれた人生を送ったのだ。病気、それも考える頭が病むという原理的に解きえない問題を抱えることによって、愛という解きえないからこそ必要なものに気付くという、二項定理の展開。そして最終的に築かれたパスカルの三角形は美しいものであった。このバランス感覚と、一見堅実なようでありながらデパルマを思わせるような回転など、縦横無尽のカメラワーク、演出をみせたロン・ハワードは非凡である。