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<ネタバレ>この映画のことを語り出せば、何時間も語ってしまう程好きな作品です。小学生の頃、淀川長治さんの「日曜洋画劇場」で出会った時は、すべてのシーンで笑い転げ、そしてラストシーンで「ああ~良かったなぁ」と彼らの未来に心で乾杯をしたものでした。
しかし、大人になるにつれ、花売り娘を見ながら照れくさそうに消えていくチャーリーの何とも言えない笑顔の裏に、とてつもなく複雑な感情の流れを感じ、リバイバルの映画館で泣きました。一緒に行った女性に笑われましたが・・・。
繁栄を象徴する街の灯の中、貧民であるチャーリーが「紳士」であり、「騎士(ナイト)」でいられたのは、娘の目に光が無いせいでした。しかし、娘を思う余り、その心地よくも輝ける時間を捨ててまで娘に光を取り戻そうとするチャーリー。
まさに、素晴らしい「無垢の愛」がそこにあると思います。
再会の時、チャーリーが精一杯の笑顔を浮かべて言った「見えるんだね?」とは、「僕の正体を知ってしまったんだね」という、失望感といたたまれない気持ち。
恩人との再会を喜びつつも、やはり大きな失望で胸がいっぱいで戸惑う少女。
二人の時は映画の終わりによって永遠に停まります。大きな切なさの余韻を残しつつ。
僕はこの「美しくも切ない余韻」を、永遠に愛して行くことでしょう。