<ネタバレ>この映画を日本人が楽しむのはなかなか大変ではないだろうか。 .. >(続きを読む)
<ネタバレ>この映画を日本人が楽しむのはなかなか大変ではないだろうか。
期待が大きかっただけに、これが作品賞受賞作かと寂しさを感じもする。
話は極単純だ。吃音に悩む王子が、妻の愛や言語療法士のサポートを
得て、困難を乗り越え戦時下の誇りある国王に就任するまでを描く実話
ものである。
長男である兄が人妻との恋愛で王位を返上した有名な話を絡めながら、赤裸々な
王室の内情を描いてはいるが、何か表面的で、他民族が観て特別胸を衝かれるような
真に迫るシーンは私には見受けられなかった。役者も特別上手いとは感じない。
英国人の英国人のための映画、そのような印象である。
アメリカは何時までも英国と共にあるのだなと、尊敬する兄として遇するためには
アカデミーの一つや二つは御安い御用なのだなと、映画の質にこそ価値を見出すべきと
考える者には些か寂しくもなるのであった。
乱れ切った英王室を見るにつけ、我が国皇室が何時何時までも清く正しく美しくあって欲しいと畏れ多くも願わずには居られない。