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<ネタバレ>成功する人には、必ず影で支えていた人がいる。菊之助にとってのそれは、間違いなくお徳さんであり、菊之助に唯一本音でぶつかってきてくれる人だった。どん底に落ち、菊之助が、もう自分はダメだと半ばあきらめていても、お徳さんだけは、決して希望を捨てなかった。福ちゃんに頼みに行くのが、菊之助ではなく、お徳さんであった事が、それをよく表わしている。福ちゃんと再会してからの菊之助は、お徳さんの支えもあって、磨きがかかっていた芸が、皆から認められ、父とも和解し、芸人として絶頂を迎える。一方、お徳さんは、菊之助の成功を喜びながらも、菊之助の前から姿を消す。お徳さんにとって、菊之助を「あなた」と呼べた大阪時代、旅芸人をしていた頃が1番幸せだったんじゃないかと思う。菊之助を独り占めできた時代だから。それにしても、菊之助は、冒頭と最後の方では、全然違う人物に見えますね。男は、女によって育つ。本当にその通りですね。