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<ネタバレ>赤茶けた荒涼とした土地に「石油」が眠っている。ブラッド…見えない所に熱く堪り、事があれば吹き出す石油への比喩。日焼けで赤茶けてざらざらしたオイルマンの顔、その下にも「血」が流れている。石油と血、というどろどろした液体のメタファーで、潤いの無い大地と人間性の欠片もない人間を繋げ、二重映しでドラマは進む。結末は悲劇になるより他はない。ただし、インチキ宗教家をやり込めるラストは予想外。人間の少しはあるはずの良心/宗教心(インチキ宗教家をいいように捉えての提示)を完膚無きまでに蹂躙して終わる。だからといって救いがないのではない。救いの無い人間を描くのは、ヒューマニズムを信じたい事の裏返し。「血があるのだ」と最後にタイトルが出る。制作者の裏返った願いがこもる。人によってはボギー主演の「黄金」の人間の強欲の虚しさを思うだろう。結末に「ジャイアンツ」のJ・ディーンの末路と重ねるだろう。心の闇とその転落のドラマに「市民ケーン」を見る人もいるだろう。市民ケーンの幼少の傷は、このオイルマンでは無神論/物欲主義として、摺り合わせてみるのも面白いかもしれない。