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<ネタバレ>ムーアのボンドからダルトンのボンドはかなりイメージが変わりますね。すごく硬派で真面目なボンドになってます。女性との関係も控えめ。特に今回はアクション映画としてはかなりクオリティが高く楽しめました。また、鮫に足を食いちぎられる、サンチェスが部下を減圧室で頭部を膨張させ爆死させる、敵とのもみ合いの末、相手を粉砕機で切断する、最後にサンチェスを全身を火だるまにするなど、今までより残酷なシーンが多かったです。今の時代なら見慣れていますが、当時は相当ショッキングな映像だったでしょうね。シリーズ発のR指定だったみたいです。全体的に重めな作りになっており、ボンドは常にしかめっ面の印象があります。ユーモアや遊びがほとんどなかったのが少し物足りなかったです。またボンドガールもキャリー・ローウェル演じるパムは美人ですが、色っぽいタイプではなく共に戦うタイプ、ルペ(サンチェスの女)との関係も控えめといつもの女性との関係がとても淡白でした。その後いくつかのスパイムービーが作られましたが(ミッションインポッシブルシリーズ、ボーンシリーズなど)今思えばこのダルトンボンドの路線に近いのかもしれません。007にしか出来ないできない演出(ボンドガール達とのラブシーンやいかにも英国紳士という感じの上品で洗練た身のこなし、ユーモアやウィットもある)を期待する人には物足りない作品だったかもしれません。Q爺がロンドンから駆けつけていろいろな特殊武器を提供するのは微笑ましかったです。ボンドが心配でたまらないらしく「危ないから帰れ」と言われても帰らずじまい。足を食いちぎられたフィリックス・ライター役の俳優は『死ぬのは奴らだ』にも出ていました。同じ俳優なのですぐにわかりました。(いつもCIAのフィリックスは別の俳優が演じているので混乱してしまうのですが)個人的には好きな作品ですが、シリーズの中ではちょっと異色の部類に入ります。 これなら007でなくてもいいと思う人もいるかもしれません。長いシリーズですからこのような硬派ボンドもありで良いと思います。