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<ネタバレ>興行収入100億の大ヒット映画である。ヒット作には熱心なリピーターが付き物。先人は一体どんな心境でこの映画を繰り返し鑑賞したのだろう。観ながらツッコミ所をメモりたくなる映画は久々だった。のっけから「次々とチャトラン達は外に出て来る」ってどう見ても内側から押し出されて戻りたそうにしてるし、自分達で登った呈で撮られたものの木の枝の上で怯えてぶるぶる震えてたり、もちろんツッコミ所は全て演出という名のそれら動物虐待に対してである。煙突から這い出れば灰にやられ目を開けられず、急流を泳がされ、ついには崖から荒れ狂う潮水に放り込まれる。必死に崖にしがみ付き、よじ登り、ずり落ち、崖面に叩き付けられ、幾度となく波に飲まれる。浜から力なくよたよたと這い上がる姿に「猫が死ぬ寸前ってこんなだよな…」なんて一文が脳裏をよぎった辺りから次はどんな虐待を見せてくれるのかとそればかりが気になり始める。おおよそ実害でもない限りあらゆる動物が好きな自分にとって決して虐待シーンを楽しみにしている訳でなく、ここまで来たらスタッフによる虐待をいかに動物達が乗り越えたのかを見届けるしかないと心新たにするのであった。たまに挟まる「子供が~」のポエムがあまりに白々しく、小泉今日子の清爽な声によって朗読が始まるだに爆笑してしまう。唐突に「チャトランは夢を見た」って多分この意味のないシーンの羅列、撮ったはいいけど使い所が無いから夢って事にして尺伸ばしに挟み込んだのかななんて想像してみたり、なぜ俺はこんな酷い映画を見ながらニヤけているんだろうと不思議な気持ちにさせられると共に、改めて「ダーウィンが来た!」がいかに優れた番組か思い知らされる。学術的な探究心が満たされると同時に、動物の生の姿にほっこり出来る。生の営みは常に命のやりとりを伴うが、しかし生のものである以上、残酷というよりはそれが確たる現実なのである。この映画は現実でないから残酷であり滑稽なのだ。異生物同士のじゃれ合い寄りかかり合いのシーンに和まされるので、そこは救い。いかにも80年代っぽい教授の曲も綺麗で耳触りが良い。見始めは低評価、爆笑するうちに高評価を付けたくなったが、間を取って真ん中の5点としておきたい。