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<ネタバレ>感動的な映画ですね。ストーリーはわかっていても観るたびに自然と涙が溢れてきます。しかし、冷静に考えるとポッターもみんなが言うほど悪い人間とは思えません。彼が株主総会で「我々がやっているのは慈善事業ではない。」と言ったことも株主としては当然のことです。ところが、この映画では彼は血も涙もない冷酷な人間として描かれています。それとは対照的にベイリーは良い人として描かれているのですが、温情や理想だけで貧乏な人に金を貸し、社会的弱者を助けることは美談であっても、そのために彼は危うい経営をしていたのは事実です。取り付け騒ぎが起こった時もぎりぎりのところで難を逃れましたが、もし、あの時、貸し倒れになっていたら、株主は大損、ベイリー金融から借りていた人たちも路頭に迷うことになっていたでしょう。人情や友情は尊重されるべきものですがビジネスでは通用しないことがあります。時として、ポッターのような厳しさも大事なのです。最後はハッピーエンドであっても、それは単に結果オーライのことだけではなかったのかと疑問を感じます。自由主義、競争主義のアメリカがこのような映画を作ったことも少し偽善的であると思っています。現実がそうでないから、ファンタジー的な物語を描きたかったのかもしれませんが。