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<ネタバレ>この映画と「ジュラシックパーク」の大成功で、ハリウッドはCG全盛となった。記念碑的作品。最大の見所はCGとアクションだが、それを補完する人間ドラマもよく出来ている。まず設定だが、近未来に核戦争で30億人が死亡する”審判の日”が来るということが前提でなっている。大風呂敷だが、核爆発の映像や未来での機械と人間の戦争などを挿入し、リアリティを与えている。これで映画に重みがぐっと増す。次にキャラのぶっ飛びさ加減を指摘したい。T800が服ほしさに裸でバーで大暴れ、T1000がジョンの育ての親をいきなり刃物で刺す、サラが単独ダイソンの家に乗り込み射殺しようとする。どれも意表を突く行動で、記憶に残る。病院場面で、サラの虐げられている様子と彼女の苦悩がよくわかる。機知に富んだ脱出も秀逸。次はサスペンス。冒頭でT800とT1000の両方が出現し、暫くどちらが善玉が分からない。両者鉢合わせのシーンで、銃撃開始と共に判明する面白さ。前作の悪玉が善玉に替わっているのがミソ。そして度肝を抜く、カーアクション。銃撃戦ばかりじゃ退屈する。ヘリ・アクションもよかった。液体窒素で凍ってからのT1000のしつこさ。本当に恐怖を感じた。最も重要なのは、ジョンとT800の友情部分だろう。ジョンが機械に、かっこいい言葉を教え、命の大切さを教え、感情を理解させようとする。ラストで自ら溶鉱炉に入る場面で、ジョンの涙を見て、T800が「泣く気持ちがわかった気がする」と言う。人間ドラマが描けているから、ここでぐっとくるのだ。徐々に沈んでゆくT800。最後の指のサインは、ジョンに教わった人間らしさの象徴。そして「ターミネーターが生命の価値を学べるなら、人間もできるのではないか」とサラのナレーション。明るい未来の暗示だが、サラも生命の価値を改めて学んだとも解釈できる。残念な点。①裸ではなく、未来の武器を持ってやってきてほしかった。②ジョンにATM現金引き出し詐欺をやらせるな。③ダイソンを殺してはいけない。彼を生かしてこそ”機械に生命の価値を教える”というテーマが生きる。④T1000の破壊力を存分に発揮させる、警官隊との全面対決場面希望。⑤T000が溶鉱炉からも生還し、最後はジョンの機知で倒してほしかった。