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<ネタバレ>なかなか面白かった。ドイツ製の質実剛健なヒューマンドラマかと思ったら、がっしりと作られたコメディだったりする。ドロッと黒い笑いに満ちていて、その黒さがまたクスクスッと笑わせる。
アメリカのコメディのように、ストレス発散的笑いはどこにもないが、隅々まで行き届いた揶揄にはニヤニヤとさせられる。例えば敬礼や、命令伝達の場面の温さはいかにも微妙な空気を生んでいて、画ならではのおかしさというのを味わえる。
話の筋はオーソドックスだが、それだけにこれが黒いコメディではないと気づかなかった場合、設定の緩さに何をやってる映画だかよく分からないという事態も引き起こすかもしれない。ドイツ製らしく、オーソドックスに、まじめに作り込まれているため、笑いもせずに笑いを作ったという雰囲気がまたおかしい。独特の間が好きだ。