<ネタバレ> 20年前とは思えないヒーロー像。現実感のある世界に、荒唐無 .. >(続きを読む)
<ネタバレ> 20年前とは思えないヒーロー像。現実感のある世界に、荒唐無稽な主人公を引っ張り出して観客をその脇に立たせてその顛末を眺めてしまうというスタンスは実に現代的。
ロボコップの立ち位置が法的に死体で、それを再利用した企業の固定資産でしかない。という所に妙な説得力があり、倫理観がガタガタになった世の中を冒頭の荒れきった警察署内や殺害シーン以上に暗示させる。このあたりの世界観構築の巧さは同年他SFB級作品を圧倒しているし、未だに色褪せない。
架空の都市、それも完全に倫理観や治安意識が破綻しつつもインフラだけは無機質に機能している社会に対する虞れと、それに対するささやかな反抗というテーマは普遍的だがそれをこういう妙なヒーローと合体させたという所に痺れる。
バーホーベン監督の神懸かり的な手腕によるグチャッとした奇妙な雰囲気も手伝い、ファンだけではなく従来のヒーローモノがそれほど好きではない人にもかなりオススメできる。当時の特撮を堪能することも出来、内容だけではとどまらないいろいろな面から一気に楽める。