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<ネタバレ>『機動警察パトレイバー』の劇場版二作目。前作同様、サスペンスとしての物語展開はすごくうまいなと思いました。ふとしたきっかけで、見慣れた街並が戦場に変わる様子も、うまく描かれていると思います。たとえば、街中を往来する戦車に、通学する子供たちが手を振るシーンなんかは、現実にありそうでちょっと恐怖を感じさせられました。こういうのは、アニメーションだからこそ表現できたのだと思います。日本を舞台に実写でやられると、いかにも嘘くさいですからね。でもその"嘘くさい"と感じてしまうところにこそ、この映画が言わんとしている危惧があるのでしょう。ベイブリッジ爆破のシーンは、モロに9.11を思い起こさせますね。前回のサイバーテロといい、未来を予見したかのような作中の事件には、正直びっくりさせらました。ただ、これが『パトレイバー』の劇場版として成功しているかどうかというと、ちょっと疑問です。私は原作をあまり知らないのですが、前回の活躍度合いや、エンドクレジットの掲載順からいうと主人公は野明って女の子ですよね。その子(と相棒の男)が今回はびっくりするくらい活躍してなかったですね。パトレイバーも、申し訳程度に出ていた感じで、正直原作を活かした脚本だとは思えません。原作の熱狂的ファンはどう感じたんでしょうか…。自分には、ちょっと制作者のメッセージが五月蝿かったですね。それを優先するあまり、原作が二の次になってしまっている印象を受けました。前作共々、サスペンス的なつくりは良いのですが、原作を活かしているかの差で、今作7点、前作7.5点、といった感じです。[良:1票]