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<ネタバレ>これは高校生になった頃に名画座で観ました。「スティング」と2本立てだったことを覚えています。作品総体の見応えは別にして、劇場内の笑い声に関していうと「スティング」を圧倒していました。周りの笑いに釣られてか、自分も大笑いしていたのを思い出します。30年ぶりの鑑賞でしたが、なかなか酷い脚本だと思いましたよ。辻褄が合わない行動がたくさんあるし、事件の発端となったフィルムの中味なんて最後は忘れ去られてます。それでも充分に楽しめる破壊力が本作にはあったんだと思います。ゴールディ・ホーンが、自分の状況を刑事たちに話すシーンがありますが、その説明の下手糞さが秀逸です。彼女じゃなかったら蹴っ飛ばします。バカっぽいけど一生懸命。それがキュートに映るのが、天性のコメディエンヌの証明であると改めて感心しました。ダドリー・ムーアがストーリーに全く関係の無いところで大活躍。シンフォニーの指揮者というオチも含めて劇場ではいちばん笑いを取っていましたね。その次が日本人老夫婦の「コジャック!」だったかな。サスペンスで始まってコメディで大団円という変な作品ですが、役者のキャラの立ち具合、ネジの弛んだ脚本、シーンごと変わるトーンなど、現代では出会えない珍品だと思います。[良:1票]