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<ネタバレ>主人公が観客もまとめて騙す映画は多々あるが、よってたかって騙される映画って少ないんじゃないかな。しかも騙されたまま終わる。新鮮でした。でも、本作の良いところは騙された後の流れです。娘と思っていたアンジェラと再会するが彼女を責めない主人公。それは、偽りの関係だったとしても、彼女との時間を大切にしたいと思ったから。彼女に騙されて失ったものより、彼女が残してくれたものの方が大きかったから。だから彼の中ではいつまでも「愛娘のアンジェラ」なのでしょう。神経症が治り、スーパーのレジ係の女性と再婚するオマケも付きました。ニコラス・ケイジの心情に暖かい灯を残すことが本作のテーマだったと思いますが、さすがにリドリー・スコット。スペクタクルだけではなく、この種の作品でも手堅い手腕を見せてくれます。計算するとアンジェラ役のアリソン・ローマンは当時24歳。ラストの見え方が本来の彼女です。女性のヘアスタイルとメークと衣装には騙されますね。ということで、ストーリー以外にしっかり観客騙しがありました。騙されて清々しい珍しい快作。