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<ネタバレ>有名女流作家の不可解な自殺を巡って複数の関係者が検証に臨み、それぞれの思惑もひっくるめて真相に収束して行く。ミステリーとしての謎解きと云うより登場人物たちの心理の奥底を探求するようなデリケートな作品でした。女性だけのコミュニケーションに含まれるネガティブな感情が男の自分には面白く映りました。原作は読んでいないけど、恩田陸らしいニュアンスを大事に演出していると思います。主要出演者の中で一人、女優専業ではない加藤登紀子さんがとても不気味で、そのノイズが良くも悪くも作品全体に普通の映画じゃない雰囲気を与えています。私は専ら、誰が時子を殺したかと云うことより、突っ張って生きてきたツケを精算するかのような時子の考え方に興味が募りました。テーマもそこにあると思います。自分が生きた証をどこかへ残しておきたい気持ちが、少しは分かるような年代になったのかもしれません。[良:1票]