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<ネタバレ>勝手にもっとコメディっぽい作品を想像していたら、かなり真面目でした。太平洋戦争で日本の劣勢が顕著になってきた頃の満州。ロシア国境近くの帝国陸軍の陣地でのお話。ロシアとの戦端が開かれれば最前線になる場所だけど、戦闘シーンはありません。戦争と兵隊が嫌いな上等兵と型破りな二等兵の繋がりを通して、帝国陸軍の実情を見せる作品って印象でした。やってることのほとんどが、部隊間の喧嘩です。階級格差を盾に取った苛めも横行していて気分が悪くなる。元やくざの新兵二等兵を勝新が演じ、その規律に納まらない暴れぶりと反骨心をカタルシスにしていますが、私には娯楽作品とは映らなかった。製作から50年近くが経ち、当時はどういう観方をされたのかは分かりませんが、帝国陸軍の愚かな因習を見せてもらった印象です。あんなことをやってたら、実際の戦闘になっても機能的に戦えると思えない。日本が敗戦した原因の多くが、実は本作のような兵制の悪習にあったのではないかとも思われる。昨夏以来、太平洋戦争を扱った作品をたくさん観てきて、どうも私の視線は戦争責任や敗戦原因の見極めにフォーカスされているようです。[良:1票]