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<ネタバレ>邦画では殆ど扱われない題材、徹底的な警察批判を題材とした映画化であり尚且つ日本が誇れる力作。195分もの長尺でも緊張感が全く途切れない。全編に渡ってあの汚い上司に見られるような、もの凄く居心地の悪い、嫌な、生々しい感覚がずっと続く。この映画全編に漂う空気は本当に素晴らしいし、俳優の演技力も半端じゃない。刑事課に入ってから5年の時を経たタケハチの凶暴さ、山崎の冷たさ、1カットで彼らが変貌してしまったことが見て取れる。
彼らの後輩として駐在所に赴任した時はガチガチに緊張していた六法くん、彼でさえもあんな風になってしまうのだから本当に恐い。あの警察という組織では手を汚さずには上手く生きていけないのかもしれない。
劇中ではあまり血は流れないし、殴ったり蹴ったりはするものの洋画で観るようなバイオレンスはない。けれども作品全体の空気は常に“痛い”というよりも“恐ろしい”暴力に満ちていて、会話のシーンでさえも気が滅入りそう。
今作では、ジャーナリストに転身した草間による会見と、実直だったはずのタケハチのラストの語りかけ、「ポチの告白」でずっしりとした告発がされる。日本最大の暴力団とは警察であり、国家。そしてそのイヌであるジャーナリスト・・・今作で描かれていること全てが本当だということは無いのだろうし、僕の乏しい知識ではまだまだよく分かっていない部分もあるのでしょうが、これがとても勇気があり、とても価値のある告発を含んだまさに「力作」だということは強く感じられた。