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何というか……、この映画を作った人達の趣味が丸分かりの映画でしたね。それはつまり、アメコミ!バイオレンス!ロリコン!ギャング!マカロニ・ウエスタン!ですね。これらを一本の映画の中に「これでもかッ!」と詰め込んでいるんですから、いやはや大したものです。それでもこの映画が作り手の自己満足映画になっていない理由は、その基礎から綿密に積み上げられた高い映画作りの技術があるからでしょう。これだけエンターテイメント性の高い作品に仕上げながら、ギャグも沢山入れつつ、かつ間延びせず、最後には正義とは何かという重いテーマを持つ作品なんて中々観る機会は無いでしょう。
またアメコミ映画(特にスパイダーマンとバットマン)のパロディを入れつつも、パロディ元をバカにされた気がしないのは、作り手がパロディ元が持つテーマを十分に理解しているからと思いました。スパイダーマンは「大いなる力には、大いなる責任が宿る」という正義のヒーローが持つ宿命を描きましたが、キック・アスのテーマは「じゃあ大いなる力を持たない一般人には責任は宿らないのか?」という事。こういう事をキチンと描ける映画ってのは稀な気がします。勿論、コメディ映画としても非常に面白く、私が観た劇場では観客全員がゲラゲラ笑いながら観ていました。劇場でこれだけ笑わせてくれる映画も余り無いと思いますので、鑑賞する際は映画館をお勧めします。あとヒットガールとビッグダディ最高 笑。[良:2票]