<ネタバレ>個人的には紛うこと無き傑作、いや大傑作でした。誰もが口を揃え .. >(続きを読む)[良:1票]
<ネタバレ>個人的には紛うこと無き傑作、いや大傑作でした。誰もが口を揃えて話すであろう、でんでんの怪演、園子温のエロ・グロへのこだわり、上映規制(ついでに観客の倫理観も)ギリギリのゴアシーンには度肝を抜かれました。こんな映画を今現在日本で観られることに感謝したい。しかしこの映画を最高得点の10点にした理由はその要因によってではありません。私はこの映画について途中まで「描写は凄いけど、ただそれだけだな」と思っていました。過激ではあるけれど、何かを鷲掴みにされる訳ではないと。しかし終盤でその考えは完全に覆されました。この映画の真の主役はキチガイ演技全開のでんでんでは無く、冴えない主人公を演じる吹越満なのです。主人公は終盤で悪の村田と同じ行為(厳密には違いますが)に身を染める事で男になるのです。他人に全てを委ねているようでは生きているといえない。やりたいことは反社会的であろうと何でもやる。それでこそ人間が生きるということなのだと。その証拠に何かを成し遂げた時、主人公の顔には満足が浮かんでいるのですから。勿論、村田のように殺人を犯したり、人を暴力でねじ伏せる行為はいけません。それでもやる時はやりたいことをやれ!ということを、この映画が観客に伝えたかったのだと私は解釈しました。ただのエログロ映画では無い。人間一人の生き方を変えてしまう力を持つ、大傑作だと私は思います。[良:1票]