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<ネタバレ>原作未読、アニメは最初の2,3話を見た程度。つまり殆ど門外漢に近い形で観ました。普通テレビアニメの劇場版と言うと「クレしん」「ドラえもん」などの日常が舞台であっても映画では派手な事件やキャラクターの悩み・葛藤などを設定するものですが、「映画 けいおん!」はテレビアニメの時の緩い日常を描くというコンセプトをそのまま映画にしている。恐らく所謂日常系というジャンルをはみ出すと「けいおん!」では無くなるということなのでしょう。問題はその日常系としての展開、ハッキリ言うと大して何も劇中で劇的な展開が無い話に一見さんがついてこられるかということだと思います。多分ファンにとっては何も問題ないでしょう。個々のキャラクターは個性的で、しかも非常にレベルの高いアニメーションでフェティッシュな仕草や描写がありそれを愛でればいいわけですから(これが萌えーというモンでしょうか)。私は別に唯ちゃん、りっちゃん、ムギちゃん、澪ちゃん、あずにゃんに思い入れは無かったので正直彼女たちの振る舞いを観てもそんなに楽しいとは思えませんでした。では事件も何も起きないこの映画のどこを一見さんが楽しめばいいかというと、それはもう軽音楽部としての活動を楽しむか、今回の映画の大きな舞台であるロンドン旅行を楽しむしか無い気がします。私は特に軽音楽とは無縁ですが、卒業旅行で彼女たちと同じくロンドンに行ったクチなのでロンドンパートは楽しめました。空港やロンドン市街のディテールなどはさすが京都アニメーションと唸ってしまった。正直、そのパート以外は特に楽しい部分も無く淡々と終わったという印象です。テレビアニメで彼女たちの3年間を観ていれば彼女たちの卒業という人生の節目には心動かされるのかなと想像出来ますが。というか一見さんに対しては全く配慮の無い作品といって良いでしょう。オープニングで各キャラクターの紹介も無いし。特に決定的なギャグも入れてないから笑えもしない。ファンが各キャラクターを2時間愛でるためだけの映画と思う。それはそれで良いかもしれないが、ファンにとって良いというだけの話でしょう。