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<ネタバレ>この作品は、戦史の知識がないと物語が良く判らないという欠点はありますが、ひとつの作戦をテーマとした戦争映画としては良作だと思います。兵器類の考証の正確さは、最高の部類に数えて良いでしょう(特に陸戦兵器は。航空機はちょっと不満ですが。)。戦争映画や時代物映画はやはり時代考証が大事ですね、『神は細部に宿る』という金言もありますし。各エピソードはC・ライアンの原作に登場する史実がほとんどですが、そのために却って連合軍の負け戦なのに映像から実感が得にくくなってしまいました。特筆すべきは戦闘シーンの映像表現で、手持ちカメラを使った落下傘降下シーンの臨場感や、ドイツ兵の視点で砲撃がだんだん近づいてくるところを描く緊迫感あふれるシーンなど、それまでの戦争映画になかった斬新なものです。そして連合軍(特に英軍)の作戦立案過程がいかに愚劣で、組織が官僚的だったかを赤裸々に描いたことも意義が大でしょう。英国では長らく『マーケット・ガーデン作戦』をメディアが取り上げることはタブーだったのですから。