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<ネタバレ>これは面白い、いや抜群に面白いと言っちゃいます、20年も前の映画なのに自分はなんで今まで観てなかったのかと不明を恥じるばかりです。まずストーリーテリングのスピードが類を見ないぐらい突っ走っています。この映画の原案はラリー・コーエンですが、ほんとこの人はストーリーを思いついたり脚本を書かせたら天才的な才能を発揮します、なぜか監督させたらどうしようもなくヘボなんですけどね(笑)。オープニング早々いきなり踏み込んできた男たちに拉致されるキム・ベイジンガー、屋根裏部屋の密室で監禁されますが、部屋にある粉々にされた電話機の回線を繋いで外部と連絡を撮ろうとします。高校の生物教師という設定の彼女がなんでそんな機械的な知識を持っているんだろう?と突っ込みたくなりますが、まあそこは良いでしょう。これまたなぜか彼女の電話がクリス・エヴァンスの携帯電話に繋がってしまうのですが、そこからはもうノンストップ・サスペンスの始まりとなります。この映画は脇を固める連中のキャラが立ちまくっているのが特徴。情け容赦ない誘拐グループの隊長挌なのが若き日の“ハゲ無双”ジェイソン・ステイサムなんですよね、というか20年経ってもヘアスタイルや風貌が全然変化してないのがある意味凄い。今や女(男にもか)にモテモテの正義の味方しか演じないスタイルみたいなジェイソンの、希少な純悪役キャラというのは貴重なのかも。やっぱこのおっさん、悪党面ですよね。当然のごとくにラストでは射殺される訳ですが、映画の中でこの人が殺されるのは後にも先にも本作だけじゃないかな。あと定年間近で妻とスパ・サロンを開店することにしか興味が無さそうなウィリアム・H・メイシー、観てて「きっとこのボンクラ警官が最後には活躍するんだろうな」と容易く予測出来たけど、それでも終盤は胸がすくものがありました。ラストでキム・ベイジンガーに「あなたに何かお礼ができることないかしら?」と尋ねられて「それじゃあ、二度と僕に電話しないでくれ」と返すクリス・エヴァンス、洒落てますよね。それにしても映画に登場するLA市警は悪徳警官とボンクラばかりいる印象、これも実態を反映しているのかな。これまたびっくりしたのが携帯の画面を使ったエンド・ロール、こんな斬新なアイデアを思いつくとはこれもラリー・コーエンの功績なのかも。