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<ネタバレ>こういう映画のことを“頭を空っぽにして観ると実に面白い映画”と言うんでしょうね。決して皮肉ではありません、わたしけっこう楽しめました。細かいところではいろいろと粗が見えますが、いくら原作小説は評判が良いと言ってもそこはミステリー、完璧なプロットなぞそうあるもんじゃございません。余談ですが、“完璧なるミステリー”にいちばん近いのはフレデリック・フォーサイスの『ジャッカルの日』でしょう、これを超えるミステリーはまだ書かれていないと自分は思っています。 ハードボイルドなストーリー展開はけっこう鮮やかで、マーク・ウォールバーグはいかにも凄腕スナイパーといった雰囲気が良く出ていました。アフリカであんなひどい目にあって引退したのに、いかにも怪しげなダニー・グローバーの依頼を簡単に引き受けちゃうところが最大の「?」ですけど、まあウォールバーグ君は見た目と違って単細胞的な思考回路と愛国心を持っているということで許してあげましょう。昨今の大どんでん返しものアクション映画にすっかり毒されてしまった自分には、意表を尽く様なラストの展開が実は最大のサプライズでした。