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<ネタバレ>全校で小中学生が七人だけという過疎地の学校生活が、観ていてとても癒されます。小学校と中学校はいちおう教室が別ですけど、給食の時間になると小学生は机と椅子を持って中学教室に移動してきて、先生を含めてみんなでお昼ごはんとはなんか自分が思う理想の学校生活なんですね。こんなド僻地の学校にまでセンターから給食が毎日配達されるって、考えてみれば日本ってすごい国なのかもしれません。また中学生を教える唯一の男性教師がほんわかしていていいんだな、こういう先生に出会いたかったものです。そんな世界に舞い降りた鶴(?)のような美少女そよ、これが初主演である夏帆の透明感あふれる存在は新人賞を総舐めしたのが納得です。一人称が“わし”というのもなんか胸キュンです。「行って来ます」が「行って帰ります」になる石見弁も初めて聞いたので面白かった、なんか全体的に九州の方言と似ている気もします。そよがさっちゃんの家にお見舞いに行くシークエンス、「ごめんね」と謝るそよにさっちゃんが抱きついてくるシーンは、もう泣きますよ。原作漫画は大人びたタッチで描かれているんですけど本作は終始ほんわかムード、完全に山下敦弘ワールドに染め上がっていました。こういう自然が豊かな田舎で育つというのは子供にとっては最高の環境かもしれませんが、ミニマムな人間関係ですので大人にはけっこうキツいんじゃないでしょうか。そこら辺も、さりげなくですが見せてくれる脚本だったなと思います。 そよが通う学校は木村中、受験する高校が森高校でその近隣にあるのが草薙高、「ひょっとして」と調べたら原作設定では“S県香取郡木村稲垣”がそよの家がある村落で、隣町は“中居町”、なんと原作者くらもちふさこはSMAPオタでした(笑)。