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<ネタバレ>演じているのがあのトム・クルーズだからしょうがないんだけど、シュタウフェンベルグ大佐の組織内の役割が史実よりも誇張され過ぎている。これじゃあまるで陰謀計画の首領みたいな感じでちょっとやり過ぎでは。「絵」としては戦場シーンも含めて丁寧に撮っているのは確かですけど、暗殺計画が生まれてきた背景や陰謀メンバーの描写をもっと掘り下げて欲しかったところです。ノン・フィクションなのだから、ナチ政権側の視点も交えてドキュメントタッチで映像化するという方法もあったはずです。そうすればドイツ版『日本のいちばん長い日』みたいな傑作になったかも。 この暗殺計画に関わったのは国防軍の将軍たちやワイマール共和国時代の政治家が主で、容疑者の一覧リストはまるで「ゴータ貴族年鑑」を見てるみたいだと言われたほど保守的な旧勢力のおこした事件だったのです。なので、事件当時はドイツの一般庶民は彼らの運命に同情する様な動きはなく、無関心だったそうです。 シュタウフェンベルグ大佐は戦後は英雄として遇されていますが、ナチ政権に付和雷同していた一般ドイツ人の免罪符の様な利用されかたになっているのは実に皮肉なことだと思います。