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<ネタバレ>もうこれは、脚本家の頭に「銃でガントレット(鞭打ち刑)をやる映画って面白くない?」という妄想が浮かび、それを無理矢理ポリス・ムーヴィーとしてシナリオ書いたら思いもよらず企画が通っちゃった、という舞台裏が透けて見える様です。ソンドラ・ロックの家やパトカーを腕ごなしにハチの巣にしてラストのガントレット祭りにまで持ってゆく呆れるほど強引なストーリー、イーストウッドが監督・主演じゃなければ単なるおバカ映画になるところでした。でも道路の両側からあんなに撃ちまくったら、たぶん三分の一の警官は流れ弾に当たって倒れると思いますがね。そしてイーストウッドたちを追いかける殺し屋たちの射撃の下手なこと、とくにヘリコプターのスナイパー、単発ライフルじゃなくってM-16みたいなアサルトライフルを普通使うでしょ、もうご都合主義なんだから! でもやっぱりこの映画が私は好きなんだよな。現代のセガールなんかの対極にある様な血を流し痛めつけられるイーストウッドの姿は彼の演じるヒーロー像の完成形と言えるでしょう。ゲップが出るほど銃弾が飛び交う映画なのに、イーストウッド自身は誰も銃で殺さないというのも彼のフィルモグラフィの中でも特異な一篇でもあります。