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<ネタバレ>現時点で、間違いなく世界で一番有名な映画。『初恋のきた道』で、中国の山奥にひとりで住む老母の部屋に、中国版『タイタニック』のポスターが貼ってあったぐらいですから。じっさい私の周囲の20歳以上で、この映画を一度も観たことがないという人に遭遇したことがありません。 阿鼻叫喚のタイタニック船上でディカプリオ、K・ウィンスレット、B・ゼインの三人が見せる愛憎ドラマは、まるでハーレイクイン・ロマンスを劣化させた様なお話しで、ここら辺がJ・キャメロンの限界なんでしょうね。でもタイタニック沈没を再現したいという彼の執念は実ってます。実際に潜水艇を使って実物を調査したうえで撮られたタイタニック沈没の壮絶さは、“船が沈むときはこうなるんだ”という説得力のかたまりの様なものです。船体が途中で折れる映像の凄まじさは、『十戒』の海割れシーンのように映画史に残ることでしょう。 貶しはしましたが、死者が見守る深海のタイタニックで、ディカプリオとウィンスレットの魂が再会を果たすラストには、観るたびに必ず泣かされる自分です。