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<ネタバレ>フィリピンから日本へ向かう船が戦時中に設置された機雷に触雷して轟沈、ボクサー二人に流行歌手とマネージャーおよびその付き人二名、この男女6人が無人島に漂着する。まあ新東宝版の『LOST』みたいなもんです。歌手はボクサーと恋仲だったけどマネージャーに手篭めにされもう一人のボクサーにも犯され、そうなるともう怖いものなしという心境で無人島の女王みたいになってゆく。邪魔になった元恋人ボクサーはマネージャーに右手を岩で潰され、定期船に発見されるも彼だけは島に置き去りにされてしまいます。そしてここからが新東宝お得意の電気紙芝居の始まりで、洞窟に隠された旧日本軍の財宝を発見するのです。と聞けば、そうあの『女真珠王の復讐』の男性版にして同じプロットの使いまわしだったというわけです。この悪役マネージャーは新東宝一の怪優である沼田曜一が演じているのですが、中川信夫の『地獄』で観る者を震え上がらせた怪演には遠く及ばない凡庸な演技でした。歌手は久保菜穂子なんですが、“裸女”のはずが水着姿すら見せません、完全な題名詐欺状態です。でも彼女、前田美波里に似た顔つきがけっこう良くて気に入りました。この人女任侠もの映画で初めてヒロインを演じた、藤純子への道を拓いた偉大な(?)功績の持ち主なんだそうです。 後半は財宝をせしめて大富豪となったボクサーが日本に舞い戻って自分を置き去りにしてきた三人に復讐するわけですが、ほんとに安っぽい紙芝居みたいなもんですから、何も語ることはありません。 それにしても新東宝、現代ならば誇大広告で消費者庁あたりから手入れを喰らうんじゃないでしょうか(笑)。