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<ネタバレ>すでに指摘されたレヴュアーもいらっしゃいますが、この主人公はタイムトラベルの能力を徹頭徹尾自分のためにしか使っていない!歴史を変更してはいけないというルールが彼ら一族のあいだには一応あるみたいだけど、自分のことならいくら変えても良いと言ってもその行動が周囲に影響して明らかに違う時間が創られることには変わりないはず。また過去には戻れるけど未来に行くことはできないということは、主人公がしたように何年も前にトラベルしちゃえばその年月をまた過ごさないといけないってのは、ちょっとしんどいでしょう。だから最後に少年時代にまで戻っちゃったら、また人生を何十年も過ごさないといけないし、そもそも身体は少年でも意識は大人という違う意味でもややこしいことになってしまいます。 とまあ突っ込むことはできるんですけど、この映画はそういうSFは単なる設定であって、家族愛を基調にして人生というものを考えさせようというのが主題なんです。だから数あるタイムトラベル映画の中でも飛びぬけて何も起こらないというちょっと不思議な感じの出来になったわけで、私はこれはこれで良かったと思っています。最後の方で出てくる“一日を毎日戻ってやり直す”という秘訣は、“一期一会”というものを大切にする我々の文化とは馴染まない部分もあるけど、素直に「そんな能力が欲しい」と思ってしまいます。 レイチェル・マクアダムスのキュートさが際立ってましたが、彼女来年は四十路に突入というけっこうなお歳だと知ってもうびっくりです。そしてビル・ナイの渋さはもう落涙ものでした。