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<ネタバレ>この映画はむかしTV放映されたことがあり、今までソフト化されてませんでしたがTVで観た人たちの間ではカルト化していた幻の映画です。私は本作を観るのは初めてですが、果たしてどんなもんでしょうか。 いかにも70年代という雰囲気のアメリカの田舎町にNYからドロップ・アウトしてきた夫婦とその友人の男が引越してきます。新居の田舎家にはヒッピー娘がねぐらにしていて、共同生活することになります。妻はどうも精神を病んで入院してたみたいで、外出する度に不思議な少女を見かけるのですが、周囲の人たちはまた病気かと相手にしてくれません。 不思議とどの紹介でも触れられていないんですが、この映画の元ネタはレ・ファニュの怪奇小説『吸血鬼カーミラ』なんですよ、と言うことはロジェ・ヴァディムの『血とバラ』の子孫(?)ということになりましょうか。『血とバラ』の方もソフト化されていない幻の傑作なので、観たことある人はほとんどいないというのが現状でしょう。でも本作のプロットには明らかに『血とバラ』を彷彿させるところがあります。幻想的な主人公のモノローグを冒頭とラストに持ってくるところはそっくりですし、物語が現実か主人公の妄想なのかをあえて曖昧にするドラマツルギーも一緒ですね。でも『血とバラ』の特徴である強烈な幻想性にはとても敵わないのですが、これは舞台がアメリカの田舎で陽光降り注ぐ昼間にストーリーが展開しますのでしょうがないですね。 でも説明描写をとことん排除した撮り方は不気味さを増幅させますし、謎の少女の扱いがちょっと予想外で驚きました。そういう面ではかなりアメリカ映画らしくないホラーであることは確かで、子供のころに観たらトラウマになったかもしれません。