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<ネタバレ>思ったより難解な作品でした。主人公のジュリー・クリスティーは幼いころから「ダーリング」と呼ばれてかわいがられ若くして結婚しますが、TVの街頭インタビュー出演をきっかけに妻子あるTVプロデューサーダーク・ボガードと同棲を始めます。やがて彼女はチャンスをつかみキャンペーンキャラクターとして活躍し始めますが、スポンサー企業の御曹司ローレンス・ハーヴェイともできちゃってそれから華麗な男遍歴が始まります。このクリスティーの役柄が、自己中な性格のうえ上昇志向が強くてあまり魅力的でないのが難点。なんせ最後はイタリアの旧王家の王子様と結婚しちゃって、「王女様」とまで呼ばれる御身分になるのですから。そんな彼女の恋愛模様をシニカルにある意味冷めた眼で描いているのですが、ローレンス・ハーヴェイ以下の登場人物がみんな現実離れした言動をするので、なんか昔のATG映画を見ているような雰囲気でした。ラストはロンドンの街角でいきなりおばさんが「サンタ・ルチア」を歌いだしてエンド・クレジットなのですが、いまだに「?」で訳がわかりません。ところで、この映画のダーク・ボガードはいいですよ。「ベニスに死す」や「愛の嵐」といった癖のある役が多い人ですが、繊細で知的な普通の男を鮮やかに演じています。