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<ネタバレ>2010年に起きたメキシコ湾原油流失事故の原因となった原油掘削施設の爆発事故の実話映画化。この手の実話災害映画の王道のパターンのストーリーテリングなので既視感が強いが、さすがに爆発炎上の映像は「どうやって撮影したんだろう?」と唸るほどの迫力はある。しかしドラマ性というかマーク・ウォールバーグとカート・ラッセルおよびジョン・マルコヴィッチ以外の登場キャラへの掘り込みが浅くて誰が誰だか判らないのは弱いところです。一般人には馴染みがない石油採掘が重要なテーマなので、その仕組みや工程をもっと判りやすく描いて欲しかったところです。尺も短めで同種の映画に比べてコンパクトにまとめられているのは良いとしても、その分こういった説明不足感がつきまとってしまう逆効果はあります。爆発が起こってからの経過も、施設のそばに停泊している作業船内の対応が同時に見せられますが、その映像がディープ・ホライズン内なのか作業船の対応なのか区別がつきにくいところでした。とかくハリウッド映画はこういう実話ものでもヒーローを誕生させる方向に持ってゆくのが常套手段ですけど、その後に米国史上最悪となった原油流失と事故の責任についてはほとんどスルーしてしまっているのは、なんだかなあと思ってしまいます。いくら死者が11人出て生存者も大変な目に遭ったと言っても、この事故はやはり人災でブリティッシュ・ペトロリアム社や現場の従業員に最大の責任があることは確かなんですからね。