<ネタバレ>いまや全世界を席巻しているSNS文化と若者たちを支配している .. >(続きを読む)
<ネタバレ>いまや全世界を席巻しているSNS文化と若者たちを支配している自己承認欲求が、プロットに巧みに織り込まれたストーリーだと思います。この若い連中がのめりこむ90秒憑依遊びはいわばコックリさんみたいな感じだけど、90秒を超過すると霊に乗り移られてしまうというところがキモなんですね。この映画の上手いところは、ヒロインであるミアに非常に不安定な言動を取らせることによってすんなりと彼女に感情移入し難くしているところでしょう。あと頑なまでにミアの体験の状況説明をオミットしているところで、それによって母親の死の真相や霊となって現れる母親が邪悪な存在に見えるところなんかです。父親が母親の遺書めいた手紙を読み聞かせた後の展開も不可解で、ミアを襲う父親と部屋に入ろうとしてドアをたたき続ける父親は同一人物なのだろうか?私は実は母親の死は自殺に見せかけた父親の故殺だったという凡庸な展開を予想していましたので、しょうじきその後の展開は訳が判らん状態でした。エグい描写はほぼ弟君ライリーに集中していましたが、これはかなりのレベルでしたね。ラストのオチは救いようがないと言っても良いと思いますが、宗教色を下手に出さなかったところには好感がもてました。 『ヘレディタリー 継承』を上げるまでもなく、近年世界でもっとも勢いがあるのがオージー・ホラーで間違いないでしょう。オージー・ホラーはせいぜい中規模程度のバジェットが限界なのだがそれぞれの作品にはハリウッド・ホラーにはない視点やアイデアで撮られた作品が多く、『リング』を始めとするいわゆるJホラーの影響が強い感があります。本作はかなり好評だったらしく続編製作が決定しているそうですが、まさかミアが実は生きていたなんてことにはならないでしょうね?あの手首のトルソが持ち主が代わって転々としてゆく、というのが妥当なプロットなのかな。