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<ネタバレ>出演俳優の面々を観ると当時はやっていたいわゆるブラットパックものの亜流かと思いきや、コッポラだけあってその手の安直映画とは明らかに一線を画す出来です。夜はなぜかいたるところで煙がたなびき、昼はやたらと窓に映る雲が流れるカットが多用されるなど、コッポラは映像派だったんだなと再認識させられた次第です。モノクロで撮った理由のひとつに、色覚異常という設定であるミッキー・ロークが見ている世界を表現していることは間違いないでしょう。その中でランブルフィッシュだけが鮮やかな色を放っているという描写は、さすが名脚本家コッポラ!と拍手を送りたいです。音響スタッフに「もっとはっきり喋ってくれ!」とミッキー・ロークは何度も文句を言われたそうですが、この終始ボソボソとセリフを呟く演技は結構よかったですよ。若き日のニコラス・ケイジもシュッとしていて、ニコジーを観て初めて“カッコよい”と思ってしまいました。 コッポラがゾエトロープがガタガタになって苦労していたころの、彼の原点に帰ったような佳作です。映画作家は小品を観るとその人の才能が判るという良い見本です。[良:1票]