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<ネタバレ>コーエン兄弟にしては珍しくグロテスクなキャラがほとんどいない映画でした(鬘の詐欺師がちょっとそれらしかったが)。まあそれはそれで良いのですが、このようなお話をわざわざ脚本書いて映画にすることもなかろうに、というのが率直な感想です。主人公の床屋さんは、それまで平凡ながら人生がそれなりにつながっていたのに、ふとしたはずみで自分を試したくて悪事を働いたばっかりに、物事がすべて悪い方に転がるようになり、人を椅子に座らせて商売していた自分が最後には椅子に座って人生を終える。コーエン兄弟はとことん『人生の皮肉』を観客に見せたかったのでしょうが、ブラックユーモアの味付けなしでは後味が悪すぎますね。最後までビリー・ボブ・ソーントンが演じる人物の頭の中が理解できませんでした。