本作がクリストファー・ノーランの監督デビュー作になるわけです .. >(続きを読む)
本作がクリストファー・ノーランの監督デビュー作になるわけですが、時系列をぐちゃぐちゃにする語り口はまるで『パルプ・フィクション』みたい。あのクリストファー・ノーランまでもが初期にはタランティーノの影響を受けていたことは感慨深いものがあります。だがこのパルプ・フィクション方式は順にストーリーをつなげてみると単純なお話しにならないと上手く機能しないもので、本作の様に複雑なプロットでどんでん返しがおこる物語では成功しているとは言い難いところがあります。要は普通に順撮り風に見せた方が映画としては良かったんじゃないかってわけです。そこはノーラン、技巧に走り過ぎた若気の至りと解釈いたします。でもモノクロ撮影と暗い語り口は、いかにも英国ミステリーらしくて好感が持てました。『プラーグの大学生』みたいなドッペルゲンガー的な展開にすれば、そのまんまホラーになるかなと思います。